日本人はたいていふるさとの山を持っている

深田久弥。「日本百名山」の著者としてご存じの方も多いかと思います。その深田久弥は石川県加賀市大聖寺に生まれました。その生誕の地にゆかりの品や山に関する資料を集めたのがこの「山の文化館」です。

私、ハクサンフウロはかつて登山に熱中していた時があり、そのころ、「日本百名山」も読んでいました。深田久弥が加賀市出身であることはその日本百名山のなかにあるとおり「わたしのふるさとの山は白山であった」と記されていることから知ってはいましたが、「山の文化館」にはなかなか訪れる機会がありませんでした。

ふるさとの山 白山

福井県から見る白山と、石川県から見る白山はやはり印象がことなります。福井から見る白山は、幾重にも重なる前衛の山の向こうに神々しく白く輝く山で神秘性を感じるのに対して、石川県加賀地方の平野部から見るとそれはまさに大きな山容でこの地域のすべてを支配するかのような存在感を持った父性を持った山に感じるのです。

山の文化館で深田久弥の思索をたどる

深田久弥は「日本百名山」を代表作に山に関する著作を多く著していますが、その思索をたどれるのがこの「山の文化館」の中にある資料文献室「九山山房」です。山に関する資料でこれほど充実している場所は少なくとも北陸地方にはほかにないでしょう。時間があればじっくり読みたい本がたくさん所蔵されています。

展示室には深田久弥が生涯たどった山の足跡に関する資料が展示されています。足跡をたどるという意味でももちろん興味深いのですが、過去のクライマーがどのような装備で山に挑んでいたかを知る意味でも興味深いでしょう。現在のように素材やつくりが高性能である登山装備ではなく、簡素でその機能は限定的なものであり、以下に過去の登山がチャレンジングなものであったかをかんじることができます。

「山の文化館」の二階は談話室になっています。ここにも「プリムス」や「ホェーブス」の展示があり、オールド登山ファンには郷愁をかきたてられます。

郷愁といえば、そもそも、この「山の文化館」は、明治時代に織物工場として建てられた建物を改装したものです。当時の地方の資本家が作った建物でしっかりした建物です。この地域は明治中期までは北前船で潤った地域でもあり、力があったのでしょうね。

今度来るときは十分時間をとって「九山山房」の蔵書をいくつか手に取って読んでみたいものです。

メモ

所在 石川県加賀市大聖寺番場町18-2

開館時間:午前9時~午後5時  休館日 火曜日 年末年始(12/30~1/1)

HPリンク:深田久弥 山の文化館

投稿者

ハクサンフウロ

越前國住 歴史好きサラリーマンです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)